今日、論文が2本、web上で公開されました。
1) Koh Hasegawa. online first. The density dependent interspecific competition between nonnative salmonids, rainbow trout and brown trout. Environmental Biology of Fishes
自身のメインフィールドである千歳川水系では、生息する外来サケ科魚類がニジマスからブラウントラウトへ置き換わったのですが、そのことはHasegawa et al. (2014) Aquatic Invasionで記載しました。本論文では、置き換わりの一因として種間競争が考えられることを指摘しました。
外来種が在来種へ与える影響、というのは誰しもが思いつくところですが、外来種は別の外来種へも影響する、ということは意外と見落とされがちだと思っています。
2) 長谷川功.2016.外来サケ科魚類ニジマス・ブラウントラウトの定着メカニズムと在来生態系への影響.SALMON情報,10: 8-15.
以下からフリーでダウンロードできます。
http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/srr/srr010_p08-15.pdf
厳密にいうと「論文」ではないかもしれませんが、所属機関が発行する機関誌にニジマス・ブラウントラウトの国内事情について解説文を執筆する機会を頂きました。外来サケ科魚類を取り巻く現状は、北海道と本州では大きく違います。その背景には、内水面漁協の有無、そもそものサケ科魚類の棲みやすさの違い(本州ではときに、イワナ・ヤマメは秘境の魚と称されるが、北海道ではごく普通にみられる)があると思うのですが、それらも含めて、自身の研究を中心に国内のニジマス・ブラウントラウトについてまとめてみました。
どちらもお時間許すときに、ぜひご笑覧下さい。
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